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根木珠たまねぎ日記|(旧 There's No Blog)

電子書籍を個人出版している根木珠、思考を垂れ流す。(旧Don't Believe Everything You Read)

雨の日の雀の話

記憶
小学三年生のころ。雨の日のことだった。
家の前で猫が雀をいじめていた。
私が、近づくと猫は去っていった。
警戒心の強い雀は、逃げなかった。
怪我をしていたのだろう。
私は雀を手に乗せて、どうしたらいいかわからないまま、歩いた。
児童館を目指すことにした。
寒い日だったので、その雀を温めるように息を吹きかけながら歩いていたが、あまり吹きかけるのも、かえって体温を奪うだろうかとも思っていた。
やっと児童館に着いたと思ったら、休みだった。
月曜日は休館日なのだ。
大人に雀を助けてもらおうと考えていた私は、途方に暮れた。
学校を目指すことにした。
だが、歩いていると雀は、私の手から逃げた。学校に着く前だった。
生け垣の下に隠れて、探したけれど見えなかった。
そのあとどうしたのか憶えていない。


雨の日はたまに、このことを思い出す。