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根木珠たまねぎ日記|(旧 There's No Blog)

電子書籍を個人出版している根木珠、思考を垂れ流す。(旧Don't Believe Everything You Read)

掌編「玉ねぎ茄子ピーマン寒ブリ小説」

掌編 小説 創作 ショート・ショート

 ある日、玉ねぎさんが歩いていると、道端で茄子さんとピーマンさんが喧嘩をしておりました。
 玉ねぎさんは、二人の間に割って入り、
「おいおい、おまえら、喧嘩すんじゃねえよ」
 となだめました。
 茄子さんとピーマンさんは慌てて、
「あっ、玉ねぎの親父!」
 さーせん! と異口同音に謝りました。
 
 そこへ寒ブリの切り身さんが通りかかりました。
 寒ブリの切り身さんはおもむろに懐刀を取り出し、
「おい、かまいたち……じゃない、お前たち。おれのシマでなにしとんじゃ」
「うへえ! 寒ブリの切り身師匠! さーせん!」
 茄子さんとピーマンさんは裸足で駆け出しました。
 玉ねぎの親父、と寒ブリの切り身さんは呼びかけます。
「うちのシマでいざこざ起こしたらどうなるか、わかってんだろうな」
「わかってますって、寒ブリの切り身師匠。ところで一本、どうですか」
 玉ねぎさんは、内ポケットからマルボロメンソールライトジッポーを取り出しました。
 おう、と返事をすると、寒ブリの切り身さんは一本口にくわえ、玉ねぎさんに火をつけてもらうと、紫煙をくゆらせました。
 若い衆はどうだ、という話をしたあと、二人は帰路につきました。
 めでたし。

(了)

 

 

小説だけじゃなくて、玉ねぎについての思い出でもいいと思うわ。もちろんナスやピーマンとか、寒ブリでもいいけど。

デイジーのまとめNo.76『山田さんちのホイコーロー』『お茶をするのもKDP体験?』『禅然とした表紙』.etc - 牛のげっぷ

 

(おわり)